あらあらそこのお嬢さん、どこへおでかけ?
【imaged by * MARIA(http://www.yel.mnet.ne.jp/~ssskkk77/INDEX.html
) 】
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そしてつづいちゃうっていうね
「ついて来てくれんのか」
「うっせー」
とりあえず、いつも通してもらっている客間へ行こうかと思って廊下を歩き始めると、ロマーノちゃんは(一応ちゃん付けで呼んでみる)後ろから小さな足音を立ててついて来た。
明らかに面倒くさそうではあるけれど、しかしそのまま客間までついて来て、ドアの所で一旦停止、ちょっと待ってろと言い残すと、てててと走ってどこかへ行ってしまった。
また一人かよ、はは、別に寂しいなんて事はないけどな、さすが俺様だぜ
「やる」
暫くして戻ってきた時、ロマーノちゃんは両手にお菓子を持っていた。
おおなんだかわいいとこもあるじゃねーかと思うか思わないかのうちに、次の台詞が浴びせられる。
「スペインに、客にはちゃんともてなししろって言われてるからだちくしょー」
この態度はもてなしとは程遠いだろ
一人じゃ退屈だろうと思い、ロマーノちゃんの相手をしてやる事にしたものの。
向かい側のソファに小さく座るロマーノちゃんは忙しなくドアをちらちらと見ては、依然むすりとしている。
スカートから覗く両脚を所在なくぷらぷらとさせ、俺様に持って来たクッキーやらチョコレートやらを半分以上自分の口に運んだ。
話しかけても短くしか答えない。
不機嫌なだけかと思えば、時折しゅんとなる癖毛はまるでしおれた子猫の様だ。
イタリアちゃんの明るくてかわいくて子犬の様になついてくれるあの姿とはとても対照的だな
いい加減、少し可哀想に思えて来た頃。
玄関のドアが元気よく開く音がして、お馴染みの陽気な声が家に響いた。
「ただいまー!」
(あ)
ロマーノちゃんの顔が一瞬、雨上がりに日が差したかの様にぱっと明るくなった。
しかしけれど、ソファからすぐに動く様子はなく、やっぱり子犬はイタリアちゃんの方だなと思う。
やがて足音がぱたぱたと近づき、客間のドアが開こうとする間際、ようやくロマーノちゃんはソファから下り、ドアが開い瞬間入ってきたスペインに頭突きをかました。
うおおすげぇなおかえりの挨拶がこれかよ
「いったあ・・・」
「遅ぇぞこのやろー!」
「ごめんな、ちょっといろいろあってん・・・あ、せやけどロマが心配する様な事はないで、安心してな!」
「誰が心配んんかするかちくしょーが!」
そこまできてようやく、スペインは俺に気づく。
へらと笑い、なんやプロイセン来とったんかと言って、そのままロマーノちゃんを抱き上げた。
「降ろせはげ!」
「あかん、ロマ逃げるやん。ちゃんと挨拶し」
「こいつとはさっき喋ったぞばかやろ!」
ぎゃあぎゃあと騒がしいロマーノちゃんを流しながら、スペインはこっちへ向き直り「何か飲む?」と問う。
どうもこれは日常茶飯事らしい。
ヴェストは絶対こんな事ねぇぞ。まぁ俺がしっかりしてるからだけどな!
「あ、そやロマ。さっき帰って来る時に畑寄ってトマト獲って来たで!」
「ほんとか!」
「キッチンに置いといたで、食べとき」
ロマーノちゃんはそれを聞くとするりとスペインの腕から抜け出し、客間を勢いよく出て行った。
それにしても。
「ごめんなー、あの子飲み物入れるのも失敗すんねんて、お菓子しか持って来んかったんやな」
「いやまぁ、それはいいんだけどよ」
それにしても、だ。
あのあからさまな態度の違いは何なのだろう。
イタリアちゃんの様なかわいらしさはないけれど、スペインに甘えているのは見てとれる。
(俺様は観察力だってあるからな)
一瞬で元気になりすぎて、もしかして本当に「ふそそそ」があるのかもしれねぇなとか思ってしまう。
結局、ロマーノちゃんが天使の様にかわいかったかどうかは別として、最初に持った印象よりはかわいいらしいことが判明した。
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プーとロマ
時代とかは・・・気にしないでほしいです
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