忍者ブログ
あらあらそこのお嬢さん、どこへおでかけ? 【imaged by * MARIA(http://www.yel.mnet.ne.jp/~ssskkk77/INDEX.html ) 】
[737]  [736]  [735]  [734]  [733]  [731]  [730]  [729]  [728]  [727]  [726
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

まだまだ時間あるとか思ってたら明日から講習だったうわお
あ、明日画用紙も買わなきゃっ
とゆうか冬季講習より時間が短いのはなんでー><
遅筆だから7時間じゃデッサン完成できない予感がびんびんするんだぜ
とりあえずは明日と明後日の2日間、あと4月1日と2日は静物デッサン^^
わくわく!

昔わくわくさんってテレビ番組あったよね!今もあるのかな!
あれ好きだった^^




一週間に一度、彼は自分と帰る事を、何かと理由をつけて断った。
まあいろいろあるのだろうと、とくに気にせずに過ごしていた。
その一週間に一度と言うのが、毎週水曜日であると気づいたのは数週間が経ってから。
そして毎週水曜日、彼がどこへ行くのかを知ったのは、さらにその数週間後。

放課後の、誰もいない美術室に彼を見つけたその日。



「あー・・」
「アントーニョ?どうしたよ」
「あかん、美術室に筆箱忘れてしもたわー」
「あらら、今取りに行ったら?」
「んー、まぁええわ。今日は帰り一人やし。掃除終わってから取りに行くで」


二人にはそう言って、掃除を終わらせて、学校の最上階へ向かった。
特別教室の並ぶ最上階には誰もおらず、ひっそりとした廊下には、傾きかけた日の光だけが差し込んでいる。


(あれ・・・なんやこれ・・・歌?誰の?)


誰もいないと思ったのだが、どこかの教室から微かに人の、それも歌う声が聞こえていた。


(誰やろ、合唱部なんかあらへんし。・・んーでも、めっちゃ綺麗な声やなぁ・・・)


中性的な歌声。
しかし聞こえてくるのは音楽室ではなく。


(って、ここから聞こえてくるんかいな!)


微かに開いたままになっている美術室の扉。
中から、独特の油絵の具の香りがするのと同時に、先程から聞き惚れている歌声が漏れていた。


(・・・ていうか、この声もしかして)


扉についている窓からそっと覗き込むと、予想通り、しかし意外にも、彼がいる。


(やっぱりロヴィやん。え、てかなんで?)


明るい茶髪が、窓から吹き込む風に遊ぶ様に揺れている後ろ姿は、間違えようもなく。
今教室に入ったら、歌は止まってしまうのだろう
そう思えば、どうしてもドアノブを引くことができない。
筆箱は後でいいかとさっぱり諦めて、しばらくはそこで彼を様子を伺う。


(なんやこれ、ストーカーみたいやなぁ・・いやいやちゃうて。そんなんじゃ・・・お?)


細身な後ろ姿、その片腕が動き始めた事に気づく。


(あ、  絵、描いて)


片腕に持っているのは恐らくスケッチブックか何か、その類のもの。
空いた片手は鉛筆を持ち、描いているのは窓の外の風景だろうか。
段々と歌声が静かになり、やがて止まっても、手だけは変わらず動き続けた。


(いつぶりやろ、ロヴィが絵描いてるとこ見るの。なんや、止めてしもたと思っとたわ・・・やっぱり好きなんやろなぁ・・・あんな集中してんの、高校で初めて見たで)


結局何も言えず、筆箱もそのままに帰ってきてしまった。
水曜日が、美術部の活動がない日であるとようやく気づいたのは、家のベッドで。


(フェリちゃんにもあの事言っとらんのやろなぁ・・・て、そりゃそうやん、ロヴィが絵やめたんの、フェリちゃんがおったからやったし・・・あーでも勿体ないなぁ・・・フェリちゃんが上手すぎるだけで、ロヴィかて絵上手いやんかー。やめんでほしかったわぁ・・・てそんなん俺が考えとったってどうにもならんのかなぁ)


ごろり、ごろり、寝返りの度に後ろ姿がちらつく。
部活に入らず、それでもわざわざ絵を描きに行くのはやっぱり、好きだから。
しかも、それを隠してまで。


(やっぱり悔しいんかなぁ・・・俺は好きやったのになぁ・・・ロヴィの絵)




*********************

学ヘタネタ




 

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
忍者ブログ [PR]