あらあらそこのお嬢さん、どこへおでかけ?
【imaged by * MARIA(http://www.yel.mnet.ne.jp/~ssskkk77/INDEX.html
) 】
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あわわ課題に追われてるっ
時間が過ぎるのが早すぎるぜー
困った・・!いやそこまで困ってないけど
春休みがものすごく短かった、よー!
中1の時の担任だった先生が、うちの中学から転任しちゃうそうです・・・しゅん
あ、でも!私達が中3の時の美術部の顧問の先生、育休終わって今年度から復帰!のはず!
また遊びに行こう^^
つづきで瀬戸内小説投下(しかも死ネタてどんな)
「そなたの父親の物だ」
長曾我部信親は、当惑の表情を隠しもせずに露わにし、そして目の前に差し出された箱を見つめた。
暫くの後、漸く、箱からその先の男へと視線を移す。
「開けても・・・よろしいでしょうか」
「無論」
刹那、途惑う様にその眸が揺れたが、信親はその箱の蓋をはずした。
飾り立てはない、けれどけして質素な物ではなく、寧ろ漆の黒が艶やかに塗られた、値の張りそうな箱である。
その中に丁寧に納められていた、紫紺に染められたそれ。
西海の鬼と呼ばれた父親の、左眼を覆っていた眼帯。
「何故・・・っ、貴方がこれを・・!」
「我とて知らぬ」
「・・・は」
「以前、あの者がここに来た折に置いて行った」
信親は混濁した頭でそれを反芻する。
ああ、父上も此処に座っていた事があったのだろうか、などと不意に懐かしさに似たものを覚えた。
「何故・・・私にこれを」
「それはそなたに任せよう。形見として手元に置いておくか、海に葬るか。それはそなたの物だ」
しかし信親は、依然として眼帯に触れようとしない。
暫く考え込む様に俯き、そして「毛利殿、」と声を発して真っ直ぐに前を向いた。
「あの後、皆で話し合い、父の亡骸は海へ沈めました。それが父の願いだったからです。父は・・・日常その事を申しておりました故」
「・・・そうであろうな」
「では何故、父はわざわざ、ここにこれを残して行ったのでしょう」
「我は知らぬと、申したぞ」
信親はそれを聞くと、漆塗りの蓋を丁寧に戻し、箱を元就の方へと差し出した。
「毛利殿。どうか貴方様の手で、これを海へ沈めて頂く様お願い申し上げます」
毛利元就の冷めた表情がにわかに崩れるのを、頭を下げたままの信親は見なかった。
「何を」
「それが父の望みであるからです」
「それは・・・・あの者の遺言か」
「いえ」
この屋敷に来て初めて、信親の眸から迷いが消えていた。
「しかし、父の望みです」
「我は・・・その父親を殺した男だと承知の上でか」
「無論、承知した上で申し上げているのです」
澄んだ金色の、飴の様な双眸。
ああ、幾度も見たこの眸は。
あの男の、それとまるで同じではないか。
「・・・よかろう」
「! 誠にございますかっ」
「我の手で葬ろう。それで異論はないな」
「ありがたく・・・存じ上げます」
再び深々と頭を下げ、信親はその表情を安堵に染めた。
******************
元親の遺品を海へ沈める元就を描きたいと思った
長曾我部信親は、当惑の表情を隠しもせずに露わにし、そして目の前に差し出された箱を見つめた。
暫くの後、漸く、箱からその先の男へと視線を移す。
「開けても・・・よろしいでしょうか」
「無論」
刹那、途惑う様にその眸が揺れたが、信親はその箱の蓋をはずした。
飾り立てはない、けれどけして質素な物ではなく、寧ろ漆の黒が艶やかに塗られた、値の張りそうな箱である。
その中に丁寧に納められていた、紫紺に染められたそれ。
西海の鬼と呼ばれた父親の、左眼を覆っていた眼帯。
「何故・・・っ、貴方がこれを・・!」
「我とて知らぬ」
「・・・は」
「以前、あの者がここに来た折に置いて行った」
信親は混濁した頭でそれを反芻する。
ああ、父上も此処に座っていた事があったのだろうか、などと不意に懐かしさに似たものを覚えた。
「何故・・・私にこれを」
「それはそなたに任せよう。形見として手元に置いておくか、海に葬るか。それはそなたの物だ」
しかし信親は、依然として眼帯に触れようとしない。
暫く考え込む様に俯き、そして「毛利殿、」と声を発して真っ直ぐに前を向いた。
「あの後、皆で話し合い、父の亡骸は海へ沈めました。それが父の願いだったからです。父は・・・日常その事を申しておりました故」
「・・・そうであろうな」
「では何故、父はわざわざ、ここにこれを残して行ったのでしょう」
「我は知らぬと、申したぞ」
信親はそれを聞くと、漆塗りの蓋を丁寧に戻し、箱を元就の方へと差し出した。
「毛利殿。どうか貴方様の手で、これを海へ沈めて頂く様お願い申し上げます」
毛利元就の冷めた表情がにわかに崩れるのを、頭を下げたままの信親は見なかった。
「何を」
「それが父の望みであるからです」
「それは・・・・あの者の遺言か」
「いえ」
この屋敷に来て初めて、信親の眸から迷いが消えていた。
「しかし、父の望みです」
「我は・・・その父親を殺した男だと承知の上でか」
「無論、承知した上で申し上げているのです」
澄んだ金色の、飴の様な双眸。
ああ、幾度も見たこの眸は。
あの男の、それとまるで同じではないか。
「・・・よかろう」
「! 誠にございますかっ」
「我の手で葬ろう。それで異論はないな」
「ありがたく・・・存じ上げます」
再び深々と頭を下げ、信親はその表情を安堵に染めた。
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元親の遺品を海へ沈める元就を描きたいと思った
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