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あらあらそこのお嬢さん、どこへおでかけ? 【imaged by * MARIA(http://www.yel.mnet.ne.jp/~ssskkk77/INDEX.html ) 】
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「にゃん・にゃん・にゃん」で猫の日です
猫の日ってきゅんとする響きだ
公式で猫好きって言ったらアル君しか思い浮かばないので、ちょっと前の落書きに色つけ
本当は猫も描きたかった、・・です



昨日一日国語やってました
国語の勉強ってほとんどしないんですけど
なんか変な感じ


「にーさん」

舌っ足らずな幼い声が、自分を呼ぶ。
求められるがままに振り向けば、声の主ではなく、大きな黄色の目を持つ子猫が自分の視界を占領した。
柔らかそうな毛が、ふわりと風に揺れる。

「おちてた」
「・・・おちてた、じゃねぇだろ」

そう言うと、おそらく自分の意味するところがわからなかったのだろう、彼は不思議そうに首を傾げた。
まだ三歳にも満たない子供からすれば、無機質な物体だろうと、呼吸をする生物だろうと、道にあれば「おちてた」と言うことになるらしい。

「ねこ」
「あのな、アル」
「にーさん。ねこ」
「母さんが生き物拾っちゃ駄目って言ったろ」

「駄目」と、言い聞かせる様に繰り返し言うと、彼は不服そうに唇を尖らせた。
母親譲りの大きな瞳に、うっすらと涙が滲む。

「ねこ」
「駄目だって」

尚も同じ事を繰り返していると、小さな猫が欠伸をした。
それを見た彼は、満足そうに笑う。
自分だって動物が嫌いなわけではないのだ。言っても聞かない弟に昂ぶりかけていた感情が、小さな欠伸によって抜け落ちていくのを感じた。

子猫とは言え、まだ幼い弟には充分過ぎる大きさだった。
けれど彼は子猫を抱えたまま、おぼつかない足取りで家へと向かい始める。

「あ、おいっ」

猫を拾ってきたからと、あの優しい母親が自分達を叱咤するとは思えない。
けれど、年上として、自分の言う事を聞かない弟にはほとほと困る。

全く、本当に。

文句を呟きながらも、弟を泣かす事の方が恐くて、結局子猫を取り上げる事はできなかった。



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幼少兄弟かわいいよねと言いたかっただけです
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